Monthly Archive for 5 月, 2011

新着ワイン試飲レポート


Pierre Bouree&Filsの新着アイテムと、Domaine Nicolas Rossignolの
社内試飲レポートをお送りいたします。

ご参考いただければ幸いです。

Pierre Bouree&Fils

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2009 Bourgogne Blanc
ムルソー村とピュリニー・モンラッシェ村のシャルドネを50%ずつ使用。
エッジに緑、明るいイエロー。
ローストしていないアーモンドを思わせる樽香。シダ。スワリングする
と奥から柑橘系の果実香。スナックパイン。
口に含むと、旨味のある果実味が膨らむ。重心が低く、適度なボリュー
ムを感じますが、奥にフレッシュな酸味がありバランスを引き締めてい
ます。香りの印象ほど甘味が前に出過ぎておらず、現時点でバランスが
取れている。シャサーニュ・モンラッシェを思わせる華やかさがありま
す。抜栓の翌日は構造が少し緩く感じました。

2008 Bourgogne Rouge
赤みがかった淡いルビー。白コショウやドライハーブなどのスパイス香
とアセロラ、日本のサクランボなどの赤系果実の香りが混ざり合ってい
ます。
口に含むと、抜栓直後は酸味を前に感じます。時間と共に金属的なミネ
ラル香を伴う果実味が穏やかに広がり、ジュヴレ・シャンベルタン村の
個性を思わせます。酸味を伴った余韻へと続きます。
抜栓直後は少し荒々しさも感じますが、抜栓翌日には毛羽立ちが抑えら
れ、アタックも柔らかくなりました。
 
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2001 Gevrey Chambertin
全体にオレンジがかったルビー。抜栓直後から黒糖やナツメを思わせる
甘い香り。シナモン、ナツメグなどのスパイス。口に含むと、透明感の
ある酸味が静かに広がり、それを追いかけるようにドライではなくセミ
ドライフルーツ的な旨味を伴う果実の甘味を感じます。
金属的なミネラル感は砂や小石を思わせる風味になっており、引っかか
りはありません。重心が軽やかですが、構造がしっかりとしているため
余韻までバランスが崩れません。
熟成香だけではなく、干した果実の甘さが感じられ、今、このワインの
初期的な飲み頃に入っていることを感じさせます。
抜栓の翌日、翌々日も予想以上に果実味が残っていました。
初カツオのタタキとの相性が良かったですが、タコの柔らか煮との出汁
の相性が面白かったです。
 



●Nicolas Rossignol

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2008 Bourgogne Pinot Noir
ヴォルネイ村とポマール村のシャトー・ド・ポマール斜面下の二区画。
樹齢15~45年。エッジわずかに紫がかった深みのあるルビー。
2008年のAOCブルゴーニュとしては濃い色調。熟したダークチェリーや
ベリー類、ほのかな樽香、わずかにスパイス。抜栓直後から開放的な
アロマ。口に含むと、熟したベリー類を思わせるピュアな果実味が広
がります。スケールは決して大きくはないものの、不足感なくキメの
細かい果実味が詰まっています。全体を見ると2008年らしい酸味の量
は感じますが、果実とのバランスが取れており、美点に感じます。
余韻に残るタンニンにまだ若さも感じますが、質感が細かく、現段階
から楽しめます。酸味を伴う瑞々しいフルーツを丸かじりしたような
印象。価格の付け方を安く付け過ぎたかもしれない。
無地のコルク。せめてドメーヌ名ぐらい入れてほしい。
2008年の美点が感じられるお薦めブルゴーニュ。

2007 Bourgogne L’Heritiere
シャトー・ド・ポマールのAOCポマール真下。
1922年に植樹した古木のみが植わる小区画から造られる特別キュヴェ。
エッジわずかに紫がかった濃いルビー。甘いスパイス。瑞々しいチェ
リー。グレナデンシロップ。クランベリージュース。抜栓直後から非
常に集中力のある果実香があがる。フレッシュな黒系果実をクラッシ
ュしたような香り。明らかにAOCブルゴーニュのスケールではなく村名
以上のスケール。
柔らかいしなやかな果実味が大きく広がり、石のようなミネラルの風
味を伴います。瑞々しく滑らかで、酸味が柔らかく溶け込んでいます。
ポマールというよりはヴォルネイを思わせるバランス。
2006年の同キュヴェと比較すると、果実の凝縮感は劣るが、よりエレ
ガントなバランスで2007年の方を好む人も多いのではないか?
タンニンは繊細だが、少し余韻に残り若さを感じる。果実の香りが強
すぎて繊細さに欠けるように思ってしまうほどです。若いワインが好
きならば現時点で価格以上の満足を得られると思いますが、少し熟成
した後の全開な姿を予想すると我慢したくもなります。
ブショネのないDIAMコルク使用。

社内試飲レポート


いつも大変お世話になっております。
㈱オルヴォーの村岡です。

新着ワインとなりますDomaine Francois Lamarcheの2008年ヴィンテージ
そしてDomaine Henri Delagrangeの2009年ヴィンテージの
社内試飲レポートをお送りいたします。
ご参考いただければ幸いです。




Domaine Henri Delagrange
Volnayに本拠地を置く生産者、アンリ・ドゥラグランジュ。
オート・コート・ド・ボーヌはポマール近郊の丘陵から生み出されます。








2009 Bourgogne Hautes Cotes de Beaune Chardonnay
エッジが透明に近い淡いイエロー。
09年ヴィンテージとしては予想していたより色調は淡い。
抜栓直後から開放的なアロマ。
柔らかい樽香、スモークやオートミール。完熟したレモン、白い花。
ポマール近郊というよりシャサーニュ・モンラッシェ村を思わせる。
時間と共に柑橘類の香りがあがってきます。
口に含むといっぱいに広がるレモン、ライムなどの果実味があり
溌剌とした酸味が支えています。
現時点から美味しく、構造がやや緩く感じるほどですが
余韻まで続く心地よい酸味のおかげでバランスの欠点を感じません。

2009 Bourgogne Hautes Cotes de Beaune Pinot Noir
エッジ赤みがかった明るいルビー・ルージュ。
抜栓直後からジャムにする前の煮込み始めたイチゴや花の香りが溢れ出ます。
到着直後のためかスワリングするとやや還元的なニュアンスも出ますが、
時間と共に白コショウを思わせるスパイス香に変わり、香りに幅を与えます。
口に含むと非常に柔らかく、噛みごたえがないため一瞬薄く感じるほどです。
チェリー類の赤系果実を中心に奥から香木を思わせる香り、白コショウの風味が
混じります。酸味がやや低く、構造も穏やか、新世界的な果実実ではなくブルゴ
ーニュらしいしなやかな果実味が現時点から楽しめるワインとなっています。

例年と比較すると果実の香りが明瞭に感じられ、酸味に攻撃的な要素がありま
せん。しかしアンリ・ドゥラグランジュらしい穏やかな構造は健在で早くから楽しめ
る2009年のスタイルでありながら過剰さのない綺麗なスタイルに仕上がっています。




Francois Lamarche
特級畑La Grande Rueの単独所有者として知られる名門ラマルシュ家。
2006年より娘ニコルに代替わりを始め、すべての作業を手作業にするなど
ヴィンテージの特徴よりもドメーヌの進化が著しい造り手です。
畑の場所は素晴らしいけど、造りは…と揶揄されていた時代は終わりました。







2008 Bourgogne Rouge
エッジ赤みがかった深みのあるルビー・ルージュ。
チェリー類を思わせる赤系果実を中心に、ヨードのようなミネラル香、革、イチゴミルクなど
抜栓直後から予想以上に様々な香りが感じられます。
時間と共に果実の香りが強く、甘く感じられるようになります。
口に含むと、強くはないものの量が多いため前面に感じられる酸味があり、
コショウなどのスパイスやハーヴ類のアクセント、赤系果実があります。
AOCブルゴーニュとしては複雑さを伴う構造があり、
若いタンニンを伴う余韻へと続きます。
スケールの小さなヴォーヌ・ロマネ的なバランスを持っています。
数カ月落ち着いた時の表情が楽しみなワインです。

2008 Hautes Cotes de Nuits Rouge
エッジ赤みがかった深みのあるルビー・ルージュ。
Bourgogne Rougeに比べると抜栓直後はややアロマが低く感じます。
スワリングすると白コショウや日本のサクランボ、
時間と共に石灰を思わせるミネラル香が出てきます。
口に含むと、酸味、果実味、タンニンのキメがとても細やかで
Bourgogne Rougeと比べると酸味が多くなくバランスが良く感じます。
ミネラルの風味が加わり、標高の高いこのアペラシオンの特徴が
2008年ヴィンテージの美点を描いています。

2008 Vosne Romanee
エッジ赤みがかった深みのあるルビー・ルージュ。
抜栓直後よりほのかな樽香、バニラ。
スパイスや熟した赤系果実などの香りが渾然一体となっています。
香りの時点で各要素が溶け込んでおりバランスの良さを思わせます。
時間と共に熟したカシスやブラックベリーの黒系果実のニュアンスも混ざります。
口に含むと、舌触りがとても滑らかで甘い果実味が層になって現れます。
ヴォーヌ・ロマネらしい球体的な立体感を感じます。
余韻に残るタンニンと酸味に若さを感じますが、決して強くはないため
現時点でもバランスが良く、前者ふたつのワインよりも凸凹がありません。
試飲前の予想を良い意味で大きく裏切ったワインです。
村名ヴォーヌ・ロマネとしての期待に今から応えてくれるでしょう。
価格を考慮しても非常にお薦め出来るワインです。