Domaine Berthaut来日レポート


ab2
いつもお世話になっております。
㈱オルヴォーの村岡です。

2015年Foodexにて来日した生産者レポートをお送りいたします。
ブルゴーニュ、フィサンにて7代目となる若き当主Domaine Barthautの
Amélie Berthaut女史(初来日!)から色々なお話を伺うことが出来ました。

1988年3月10日生まれ。(今年の誕生日は帰りの飛行機の中で迎えたそうです)
27歳という若さでDomaine Barthautの当主となったアメリー・ベルトー。
優れたブルゴーニュを発掘してきたワイン商セルべ社のワッサーマンや
Revue de Vin de France誌といったフランスでも名高いメディアが、彼女の
ワインについて絶賛しています。

『ドメーヌ・ベルトーはマルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれた
フィサン村を本拠地に7世代続くドメーヌです。その歴史は19世紀の終わり、
数ヘクタールのフィサンから始まりました。
1974年、私の父、ヴァンサンとドゥニ兄弟がベルトーを相続しフィサンや
フィサン1級の畑を拡大していったのです。旧来のお客様の中には、ヴァン
サン&ドゥニ・ベルトーの名前で記憶されていらっしゃるかもしれません』。

これまでマイナー産地であったフィサンというアペラシオンを牽引するドメーヌ
が誕生した!と称賛の言葉を受けるベルトー。
例えば、ジュヴレ・シャンベルタンが力強く、シャンボール・ミュジニーが繊細
といったアペラシオンの典型的なイメージというものは少なからず存在する。
フィサンの個性とは何か、マルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれ
た小さな村は、ワインの教本を紐解いてみても、
『ジュヴレ・シャンベルタンに似たお買い得な~』
『ジュヴレ・シャンベルタンと比べるとひ弱な~』
と比較論に終始するばかりで、その本質について語られることは多くはない。

ジュヴレ・シャンベルタン村のようにブランドにまで昇華されたアペラシオンの
イメージと知名度もなければ、マルサネ村のようにキラ星のような新人達が
割拠する注目度の高さもない。
フィサンとは何か?一体どんなワインなのか。

『確かに、フィサンは有名とは言えないわ。
フィサンの印象といえば、地味でゴツゴツと硬いタンニンと思われているかもしれない。
フィサン本来の特徴は、皆が考えているよりもエレガントなものなの。
だから、私たちのフィサンはワインを覆い隠すようなタンニンではなく、繊細で柔らかさ
を持ったタンニンがあるの』。

ab3

地図を開いて見てみれば一目瞭然で、フィサンの地形は標高300メートルから340
メートルの間に1級畑が集中し、村名も含めて全ての畑が国道の上に位置してます。
最上の畑が斜面中腹の標高250~300メートルに集中するヴォーヌ・ロマネやジュヴレ
・シャンベルタンだけでなく、コート・ドール全体で考えても標高が高い特徴があります。
標高の高い畑に由来するエレガンスはまさに彼女の言うフィサンです。

位置的にも歴史的にも、常に隣人であるジュヴレ・シャンベルタンを意識させられてき
たフィサン。多くの顧客が想像するジュヴレ・シャンベルタンの代替品として、強く、
堅牢な個性を求められた結果、強すぎる樽香、ともすると堅く閉じたような構成のワイ
ンが多く生まれてしまったのかもしれません。

Berthautのワインは弊社でも過去に何度か取り扱っており、決して現代的なスタイ
ルではないものの滋味深く、いかにもブルゴーニュの地酒と言いたくなる素朴な印象
がありました。
2012年は父Denisと娘Amelieの合作となる世代交代最後のヴィンテージとなります。
洗練というよりは、清濁併せ持ったような力強さと、良い意味での野暮さがあり、好感
が持てる味わいです。

『フィサン村は長らく旗艦となるドメーヌを渇望していました。そして今、アメリーの手
によって、ベルトーがフィサンを牽引するドメーヌへと戴冠するのです』。

数々のブルゴーニュ名匠を発掘したイギリス、セルべ社のワッサーマンによる称賛の
言葉です。正直なことを言うと、デビュー直後の新人に対して過剰な褒め言葉だと
思っていました。
写真で見る限りは美人だから、ヴィニュロンの中でアイドル的に祭り上げられている
のではないか、現代的な造りへとシフトして、朴訥としたフィサンの地酒然とした個性
が極端に洗練されたものになっていたらどうしようか。試飲するまでは不安の入り
混じった気持ちでした。試飲をした結果、その不安は綺麗に消え去りました。

『父の代と比べて、まず、ラベルが変わったわ(笑)。よりスマートになったと思うんだけど。
基本的には父のやり方を踏襲しているのだけども、例えばさっき話した絹のようなタンニン
を求めるために、ピジャージュの回数を減らしたり、フードル(大樽)でマロラクティック発酵
をしたりという点は変えたことかな』。

彼女と話していて感じたことは、非常に思慮深さを持った女性ということです。
ニュージーランドでの海外研修で学んだことは?という質問をしたのですが、
ひと呼吸、間をおいて考えを整理してから丁寧に言葉を選んでから説明してくれました。
今まで出会った多くのヴィニュロン達が、海外での研修では『やってはいけないことを
全て学んだよ』と半ば冗談めかして言う(ほぼ100%言われます)のとは対照的です。

ab1

FOODEXを終えた3月8日の日曜日、彼女と営業を兼ねて一日同行させてもらいました。
わずかな時間ではありますが彼女の人柄を知ると共に、彼女のワインへの理解も深まっ
たように思います。自分よりも10歳年下とは思えない毅然とした姿勢を見ていると、
(10年前の自分とは大違い!)これからのこのドメーヌの成長を確信出来ます。

これから来る2013年、ブルゴーニュにとって大きな試金石となる年に、非常に有望な
ワインが誕生することは嬉しいニュースです。
2013年からは母方となるフランソワ・ゲルベより相続したラインナップも加わります。
2012年ともども是非、ご愛顧の程お願いいたします。


Comments are currently closed.