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ドメーヌ・デ・ルージュ=キュー
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ドメーヌ・デ・ルージュ=キュー
Domaine des Rouges-Queues / ドメーヌ・デ・ルージュ=キュー
ブルゴーニュ、コート・ドール最南端に位置する最も新しいアペラシオンであるマランジュ。
コート・ドールのワインですが実際はサントネー村を境にソーヌ=エ=ロワール県に分類され、一般的なコート・ド・ボーヌとは異なる土壌を持っています。
マランジュの丘陵は水はけが大変よく、崩落物と黄土で覆われたジュラ紀の石灰岩質の泥炭土で構成されています。
コート・ド・ボーヌ最南端のこの村で産出されるのは赤ワインが大半ですが、そのワインはボーヌというよりもニュイのワインに似た力強い構造を持ったワインが造られています。


1992年、ドメーヌ・デ・ルージュ=キューの現当主ジャン=イヴと婦人イザベルは趣味である登山で出会いました。
二人はワインに対する情熱で意気投合し、1996年に自分たちのドメーヌ、ルージュ=キューを設立したのです。
マランジュの隠れ里、サンピニィの中にドメーヌを構え、わずか1ヘクタールの赤ワインからスタートしたのです。

年々、彼らは畑を増やしていきました。2002年にはオー・コート・ド・ボーヌ ルージュとオー・コート・ド・ボーヌ ブランを、2006年にはサントネー・ルージュとアリゴテの畑を取得しました。

夫婦二人だけで全ての作業を行っているため生産量は多くはありませんが、比較的力強いワインを産出するマランジュにおいて、柔らかく透明感のあるワインを生み出しており、丁寧な仕事ぶりをうかがわせてくれます。

マランジュはブルゴーニュで最も新しいアペラシオンであり、1989年5月23日に認定されました。Cheilly les Maranges, Dezize les Maranges et Sampigny les Marangesの3つの区画から構成されています。

 マランジュ村は、コザンヌの小河川と木の垣根、ふたつの小さな谷に囲まれた風光明媚な土地で、暮らすにも、散歩をするにも最適な村でしょう。ドメーヌ・デ・ルージュ・キューは今日では、4ヘクタールの畑を所有しています。
 白ブドウも黒ブドウも同様に、私たちと葡萄樹の扱いに長けた数名のヴァンダンジャー(収穫人)たちとともに手摘みでの収穫を行います 。
優れた果実を選別する選果作業は収穫時、葡萄の樹の段階で行います。収穫した葡萄はキューヴに入れてドメーヌに運びます。

 ドメーヌ・ルージュ=キューは最初の年からビオロジックでの栽培アプローチをしています。
除草剤はおろか化学物質も一切使いません。近年ではサン・トーバンのドミニク=ドゥランとも交流があり、有機アプローチについての情報交換を行っています。2002年からは完全なビオロジック農法に切り替え、現在エコセールの認証申請中です。


【赤ワイン】
収穫した葡萄はただちに破砕、除梗され、発酵の際に一切手を加えることはしません。
発酵は木樽とイノックスタンクにて行います。年によって変えますが、2〜4日程度、軽く低温マセラシオンを行います。
発酵の際に酵母を添加することもしません。年によってルモンタージュ、ピジャージュを行います。12〜14日の発酵の後、液抜きを行い、すぐに木樽に移して樽熟成をさせます。

【白ワイン】
キューヴに入れ、手作業で破砕します。果汁を圧搾し、キューヴ内にて12時間程度デブルバージュ(前清澄、泥などの不純物を沈殿させる作業)を施します。清澄後、木樽にて発酵。オー・コート・ド・ボーヌ ブランで10か月樽熟成させます。
 
 
 

Bourgogne Aligote 2007 Bourgogne Aligote

ブドウ品種 : アリゴテ100%

畑:ソーヌ=エ=ロワール県のパリ・ロピタルというコミューンに位置しています。
15.54アール。樹齢約50年のアリゴテ。石灰とチョーク混じりの砂地土壌。

収穫・醸造:すべて手摘み。全房のまま圧搾し、発酵前に12時間デブルバージュを施します。
イノックスキューヴにて7か月熟成させます。

味わい:アカシア、西洋カンザシ、そして果実といった花の香り。
優しく、液体が滑ら かで瑞々しく軽やか。レモンの風味が特徴的で、余韻にその酸味が現れます。

Bourgogne Hautes-Cotes-de-Beaune Blanc 2007 Bourgogne Hautes-Cotes-de-Beaune Blanc

ブドウ品種 : シャルドネ100%

畑・土壌:ソーヌ=エ=ロワール県のサンピニー・レ・マランジュのコミューンに位置する11アールの畑。
樹齢約50年のシャルドネ。石灰と砂質混じりの土壌。部分的に下草を生やしたり、馬で耕作している。

収穫・醸造:すべて手摘み。全房のまま圧搾し、発酵前に12時間デブルバージュを施します。
木樽にて7か月熟成させます。

味わい:西洋カンザシのような白い花、シダの香りが開放的に現れます。
フレッシュですが熟成にも耐えられます。 エスカルゴやソースを使った魚料理、白身の肉などと素晴らしい相性を見せます。

Bourgogne Pinot Noir Cuvee “Envol ” 2007 Bourgogne Pinot Noir Cuvee “Envol ”

ブドウ品種 : ピノノワール100%
“キュヴェ・オンヴォル” 『旅立ち』という意味のワインです。

畑・土壌:コート・ドール県のサントネーのコミューンに位置する80アールの区画。樹齢40年のピノ・ノワール。
小石混じりの粘土石灰質土壌。土壌は馬で耕作。除葉、グリーンハーヴェストを施します。

収穫・醸造:すべて手摘み。除梗した後、木樽にて17日間発酵させ、7か月木樽で熟成させます。
軽く濾過した後、清澄はせず瓶詰めをします。

味わい:イチゴ、グーズベリー、苔桃、カシスといった赤系果実のフルーツバスケットのような香り。
熟した果実の香りに変わり、スパイスのニュアンスが感じられます。
いきいきとして、情熱的な構造を持ち、丸みがあります。
あと4〜5年もすればタンニンと果実味が調和して長い余韻を見せてくれるでしょう。
赤身の肉料理、例えば鴨のグリーンペッパー仕立てなどと良い相性を見せます。

Bourgogne Hautes-Cotes-de-Beaune Rouge 2007 Bourgogne Hautes-Cotes-de-Beaune Rouge

ブドウ品種 : ピノノワール100%

色調:深みがあり、集中した綺麗なルビー色。

香り:健全で生き生きとした香り。
カシス、イチゴ、黒スグリ、ライラックの花の香りが混然となりすぐに魅了されるようなアロマがあります。
口に含むと、木の皮、シダ、トリュフの第2アロマが感じられます。

味わい:アタックは明瞭で新鮮さとすでに丸みを帯びたタンニンがあり、このアペラシオンの特徴的な酸味を感じます。

2007 Maranges Rouge 2007 Maranges Rouge

ブドウ品種 : ピノノワール100%

色調:輝きのある赤みがかったルビー色。

香り:香りは複雑で開放的です。素朴なマランジュのテロワールがこのボトルに閉じ込められています。
イチゴ、カシス、黒スグリ、チェリーの新鮮な果実が立ち上がり、
スパイスやヴァニラ、コーヒーやカカオのニュアンスが感じられます。

味わい:マランジュの特徴である引き締まって柔らかい構造を持ち、
タンニンと丸みを帯びたテクスチャーを感じます。余韻はとても長く、思わず食卓に誘われてしまいます。
カラフェに入れて30分ほどしてからサーヴすることをお薦めします。

2007 Santenay Rouge 2007 Santenay Rouge

ブドウ品種 : ピノノワール100%

色調:輝きのある赤みがかったルビー色。

香り:香りは決して粗野ではなく複雑でフィネスを感じます。
桑の実、ブルーベリー、カシスといった黒系果実の香りが立ち上がり、 続いてイチゴのような赤系果実の香りが広がります。

味わい:口に含むと深淵でタンニンの存在を感じます。
このアペラシオンの特徴であるサクランボやグリオットの香りがあり、余韻はとても長いです。


【メディア参考資料 Domaine des Rouges-Queues】

ルージュ・キュー/ジャン・イヴ・コンテ
一軒の廃屋からスタート。あくまでも自然に造られるワインは、あくまでも瑞々しい


ルージュ・キュー、直訳すると「赤シッポ」?不思議な名前のドメーヌだ。そして鳥の絵が描かれたラベルがまずカワイイが、その味わいもすこぶるチャーミング!素直に美味く瑞々しい。そしてしっかりと長い余韻に「ああ、本当に丁寧に造っているんだな」と感動する。

 赤シッポの拠点地はサンピニィ・レ・マランジュ村。1988年設立という若いドメーヌゆえ、村にあるドメーヌの所在地を知らせる看板も赤シッポのものだけ、見るからに新しい。
「ルージュ・キューは全くゼロからのスタート」とは、ドメーヌの当主ジャン・イヴ・ヴォンテ。1967年ブルゴーニュ生まれの彼はボーヌの醸造高校で学び、ブルゴーニュの様々なドメーヌで研修した。
しかしその活動は19歳で一旦終了、なんとその後の10年間はサヴォアでディスコのDJに転身。スイス出身の奥様・イザベルとの出会いも「彼女はディスコに客として来ていたんだ。あ、でもDJだったなんて真面目なワイン愛好家へは印象が良くない?(うろたえる)」。だが1996年、ワインの世界に戻ることを考えて帰郷、イザベルとマランジュの散歩中に売りに出ていた一軒の廃屋を偶然に見つける。「他のドメーヌで勤務しながら、ここで自分のドメーヌ造りをしていこうと決めた」。この廃屋の工事に取りかかった時、鳥好きな彼が廃屋の中で目にしたのが赤い尾を持つウグイスの巣。「卵まであったけれど、工事のために泣く泣く処分した。でもそれが本当に申し訳なくて…。また鳥が戻ってくる家にしたい、という願いを込めて、鳥にちなんだドメーヌ名にしたんだ」(ちなみに鳥は戻ってきた)。

 1998年に念願の畑をマランジュに購入。これがドメーヌの実質的なスタートとなるが、現実として自身のドメーヌ業だけでは食べていけなかった。よって彼は週に3日の他ドメーヌ勤務を続けながら4ha強まで畑を拡大、キュヴェ数も段階的に増やしている(来年、自社瓶詰めを増やした場合で計6種類)。「ここまで来るのは必死だった。でも今年の年末にはサラリーマン生活も終わり、やっと自分のドメーヌだけに専念できる」と表情を引き締める。

 「畑に立っても、最初はそこからどのようなワインが生まれるか全然予想が出来なかった。だが幾つかのミレジムを経験して、何かが見え始めたのが2002年。この年に除草剤などの化学薬品の使用を止め、基本的にトラクター以外はイザベルが畑仕事の担当だが、二人とも畑にいる時間がぐっと増えた。またマランジュはガッシリ系のワインが多い。でも自分がマランジュで表現したいスタイル。綺麗な果実味と溶け込むようなタンニンのバランスを目指し始めたのもこの頃だ」。ではドメーヌ業に専念できる来年以降、新たに手に入れたい畑はあるのだとうか?「マランジュのプルミエ・クリュやシャサーニュの赤かな?でも拡大できたとしても、イザベルと二人で働くには5haが限界だと思う」。そう、実は超ラヴラヴな二人。イザベル曰く「彼と少しでも長く時間を過ごしたい。ドメーヌはライフスタイルの一部。朝、従業員がボンジュールを言いに来ることを想像しただけでジャマ(笑)。そして週末は子供とゆっくり過ごす。二人が大好きな登山を楽しむ時間も残したい」。

 二人の世界を大事にする彼らは、様々な生産者の助言に感謝しながらも「誰かに影響されたわけではない。ビオで有名なパカレやシャソルネイ?知らないね」。質の高い畑仕事が醸造での介入を減らすという持論だが、「SO2無添加はピノやシャルドネには難しいと思う。小さな畑から生まれるワインの量は限られているので失敗は許されないし、まずは自分が美味しいと思えるワインを確実に送り出すことに集中したいんだ」。彼らはブームに流されず自身の境地を拓く。そう確信した。赤シッポ、期待大!である。(堀晶代)

リアルワインガイド 2007冬 第16号 27pより抜粋


ブルゴーニュのコート・ドール(黄金丘陵)は、北のディジョンに始まり、最南端のマランジュで終わる。
知名度の低さから、マランジュの三つの村のワインは歴史的に、“コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ”という格下の原産地呼称で販売されるのが普通だったが、原産地統制呼称法が改定された1989年以降、三つの村名をまとめた“マランジュ”名での販売が可能になった。
 ワイン法上は白ワインの生産も可能だが、実際はほとんどつくられておらず、若いうちに飲まれるべき、酸味の豊かな軽めのワインの産地として知られている。
 ドメーヌ・デ・ルージュ・クーは1998年設立の新しい生産者だが、その品質重視の姿勢から、すでにマランジュを代表する生産者となっている。
 樹齢65年の、0.8ヘクタール(1ヘクタールは100メートル四方)の小さな畑から生まれる年産4,000本程度のマランジュの赤ワインは、やや薄めの朱色で酸味が強く、食事とともに楽しむべきチャーミングなワイン。ただし、ヨーロッパが熱波に襲われた2003年ヴィンテージは全く異質で、完熟したピノ・ノワールに由来するイチゴの香りが充満する、酸味と果実味のバランスが取れた、深みのある味わい。
 2003年ヴィンテージを見つけたらその場で全部購入すること。

集英社『ソムリエール Vol2』 92P Le Vin #8 より抜粋