Domaine Guyon / ドメーヌ・ギヨン定年した父の跡を受けて、兄のミッシェルに続き弟のジャン=ピエールがドメーヌを 継いだのは、1991年のことでした。父も1938年に先祖が興し、代々伝わってきたドメーヌを53年から護ってきました。 ドメーヌは、1991年以降8ヘクタールまで拡大されました。そのうち70%の畑がコー ト・ド・ニュイに位置し、近年に なって取得したコート・ド・ボーヌの畑は30%を占めています。 ジャン=ピエールとミッシェルは、情熱をもって日々作業に励み、質の高いワイン造 りを追求しています。 一年を通じての熱心な畑作業こそ、テロワール・ワインを生み出す大きな秘訣です。 そのため、伝統的な手法に則った栽培をしています。 除草剤は撒かず畑に鋤を入れ、ブドウの生育を日頃から注意深く観察して無用な農薬 散布を最小限に制限しています。 醸造には高性能なタンクを使用し、温度管理をしています。 赤:6.8ha(ピノ・ノワール) 白:0.2ha(シャルドネ50%、ピノ・ブラン50%) 総生産量:約35,000本 ●ヴィンテージについて 2011年は、8月に乾燥して猛暑になった時期と、多くの雨が降った時期が交互にやって来た、非常に難解な年でした。 しかし、収穫されたブドウは素晴らしく、ここ300年で最も収穫が早い6年のうちのひとつとなりました。 私たちは9月1日に収穫を開始しました。 春先の花振るいによって2011年の収穫量は2010年よりも少なくなりました。 2010年と比較すると、2011年は果実味があり、口の中に喜びが溢れる、美食家のためのヴィンテージです。 若い段階から飲めるヴィンテージで、5〜8年、コート・ド・ニュイの1級、特級で10年程度熟成する可能性も備えています。 醸造は2010年と同様に、全房のまま温度管理されたタンクで12日間。 村名ワインで木樽で12カ月熟成。1級、特級は15カ月熟成させました。 2010年は素晴らしいヴィンテージです。 すべて長期熟成が可能で、コート・ド・ボーヌの村名は7〜8年、コート・ド・ニュイの村名は10年間熟成が出来ることに何の疑いもありません。 プルミエ・クリュ、グラン・クリュは15年は熟成が可能でしょう。 2010年は享楽的でエレガントな状態を保ちながら、口いっぱいに広がる長い余韻を伴う力強いワインとなりました。 しかし、これらのワインは、まだ全ての要素を出し切ってはいません。 これこそが、ポテンシャルの高いワインの典型的な特徴なのです。 2010年の収穫は、腐敗果がなく、完璧に健全で、素晴らしい成熟度を伴う高品質なブドウを得ることができました。 しかし、春は厳しい天候でした。 そのため開花期に花ぶるいを引き起こし、その際に25%のブドウが失われました。 夏の間の天候は恵まれました。そのため、量の少なさが果実に完全なる成熟をもたらし、このヴィンテージに素晴らしい結果を与えたのです。 比較して2009年を考えてみると、例年並みの収穫量であり、比較的早い収穫のおかげで、若いうちからでも飲み心地が良く、バランスのとれた素晴らしい品質でした。 しかし2010年と比較すると熟成の可能性は少し短く、プルミエ・クリュ、グラン・クリュで10年程度と考えています。 2009年ヴィンテージは親しみやすく、果実味がたっぷりで、特級と一級を除けば今から飲んでも快楽的なワインです。 2008年ヴィンテージは良質な酸のおかげで長期熟成が可能な年となりました。 2007年ヴィンテージは非常にバランスの良い年となりました。2006年と比べても余韻が長いです。 アペラシオンにもよりますが、今から5〜10年は熟成する能力も備えています。 |
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Bourgogne Coteaux Bourguignon Les Glapigny ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :シャルドネ70%、ピノ・ブラン30% 樹齢:平均30年 土壌:石灰泥灰質 醸造:伝統的方法 熟成:1回使用したオークの旧樽で10〜12ヶ月。 特徴:エキゾチック。マンゴー、パイナップル、グレープフルーツ、 アプリコットの香りが際立つ、飲み心地のよいワイン。 生き生きとしており、ナチュラルでフルーティーな味わいが魅力的。 |
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Nuits-Saint-Georges Les Argillats ヴィンテージ【2012】 ブドウ品種 :ピノブラン 樹齢:平均45年 土壌:石灰質 98%赤ワインを産出する区画で、ごくわずか2〜3区画のみ白ブドウが植えられています。 そして例外中の例外としてシャルドネ以外のこのピノ・ブランがごくわずかに存在します。 醸造:手摘みで収穫。 熟成:2〜5年使用したドゥミ・ミュイと呼ばれるブルゴーニュの通常の樽の倍の大きさの樽で14か月。 オークのニュアンスが過度にワインに付くのを避けるため、2〜3年後に開花し、10年以上熟成するでしょう。 特徴:鮮烈な黄金色。堅牢で、目がくらむほどの蜂蜜とブリオッシュのブーケを白い花の香りが支えています。 |
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Morey-Saint-Denis La Bidaude ヴィンテージ【2012】 ブドウ品種 :シャルドネ 畑はClos des Lambraysに近い場所 樹齢:平均10年 土壌:石灰質 熟成:オーク樽で、8〜10ヶ月 |
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Bourgogne Pinot Noir ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均40年 土壌:粘土石灰質 醸造:手摘みで収穫し、3回選別する(手作業2回、機械1回)。 温度調節機能付きのタンクで25〜28日かけて発酵:澱引き後3〜4ヶ月寝かせてか ら、ろ過をせずに瓶詰めする。 熟成:1回使用したオークの旧樽で10〜12ヶ月。 |
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Chorey les Beaun Les Bons Ores ヴィンテージ【2012】【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均45年 土壌:粘土石灰質 醸造:手摘みで収穫し、3回選別する(手作業2回、機械1回)。 澱引き後3〜4ヶ月寝かせてから、ろ過をせずに瓶詰めする。 熟成:1回使用したオークの旧樽で10〜14ヶ月。 特徴:深いパープルの色調。カシスとサクランボのニュアンスが主体の複雑なアロマ。樽香とタンニンの調和が取れている。アルコールの豊かな豊満で享楽的なワイン。 |
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Vosne Romanee ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均40〜45年 土壌:粘土石灰質 醸造:手摘みで収穫し、3回選別する(手作業2回、機械1回)。 温度調節機能付きのタンクで25〜28日かけて発酵。 澱引き後3〜4ヶ月寝かせてから、ろ過をせずに瓶詰めする。 熟成:オークの新樽約30%、1年使用した旧樽約70%で10〜14ヶ月。 特徴:ヴォーヌ・ロマネは優雅さがなによりも特徴的なワイン。 肉厚で非常に余韻が長く、サクランボや、数年熟成した後に出てくる森の下草の香りが浮き彫りになったアロマも豊か。 |
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Vosne Romanee Cuvee “Charmes de Mazieres” ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均40〜45年 土壌:粘土石灰質 醸造:ヴォーヌ・ロマネと同じだが、私たちの努力の結晶のキュヴェ。 日当たりのいい畑から平均樹齢60年の株を厳しくセレクトし、熟成にも 最大の注意をはらっている。 熟成:オークの新樽で10〜14ヶ月。 特徴:朱色の輝くような色調。よく熟したサクランボやフランボワーズ、牡丹、スミレのアロマが魅力的。余韻の長いこのキュヴェは、1級に迫る品質を誇る。 |
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Vosne Romanee 1er Cru En Orveaux ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均40年 土壌:粘土石灰質 醸造:手摘みで収穫し、3回選別する(手作業2回、機械1回)。 温度調節機能付きのタンクで25〜28日かけて発酵。 澱引き後3〜4ヶ月寝かせてから、ろ過をせずに瓶詰めする。 熟成:オークの新樽100%で10〜14ヶ月。 特徴:特級エシェゾーとシャンボール・ミュジニーの近くにあるこの1級ワインは、 非常にエレガントで多くのフィネスがある。イチゴなどの赤い小果実や、森の下草、 革の香りを放ち魅力にあふれている。 | |
Vosne Romanee 1er Cru Les Bruleees ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均50年 土壌:粘土石灰質 醸造:手摘みで収穫し、3回選別する(手作業2回、機械1回)。 温度調節機能付きのタンクで25〜28日かけて発酵。 澱引き後3〜4ヶ月寝かせてから、ろ過をせずに瓶詰めする。 熟成:オークの新樽100%で10〜14ヶ月。 特徴:特級のリシュブール、1級のスショとボーモンの間に位置する1級ブリュレは、 スミレ色がかった色調で繊細な繊細な燻した香りや焙煎の香りとともにブルーベリー などの黒い小果実のアロマが豊か。凝縮感のある個性のしっかりとしたワイン。 |
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Echezeaux Grand Cru ヴィンテージ【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 樹齢:平均45年 土壌:粘土石灰質 醸造:手摘みで収穫し、3回選別する(手作業2回、機械1回)。 温度調節機能付きのタンクで25〜28日かけて発酵。 澱引き後3〜4ヶ月寝かせてから、ろ過をせずに瓶詰めする。 熟成:オークの新樽100%で10〜14ヶ月。 特徴: ローブは黒く、魅力とフィネスにあふれている。バニラ、牡丹、シナモン、木苺のアロマ。丸みを帯び、豊満で焙煎の味わいがある。 |
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Clos de Vougeot Grand Cru ヴィンテージ【2012】【2013】 ブドウ品種 :ピノノワール 畑・区画:ギヨンの区画はシャトーの近く、クロの上部に位置しています。 この区画はクロ・ド・ヴージョ最古の区画のひとつです。 土壌は重すぎず、表土45センチ。小石混じりの粘土が薄く覆う石灰質土壌です。 醸造:全房発酵で12日間。 熟成:オークの新樽100%で15カ月。 特徴:黒系果実、濃密でタンニンの強さを想像させるような香り。 このワインの本質を理解するには最低でも4〜5年の熟成が必要です。 |
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【メディア情報】 2009 Les Grand Guide des Vins de France 芸術的でダイナミックなこの少量生産のドメーヌは、非常に丹念なワイン造りにより 各アペラシオンの個性を見事に描き出している。 昔は伝統的なワインだったが、 最近は開放的で深い色調のモダンなワインを造り出している。 2006 Savigny les Beaune Les Planchots Blanc 14/20 2006 Savigny les Beaune 1er Cru Peuillets 16/20 2006 Vosne Romanee Les Charmes de Mazieres 13.5/20 2006 Vosne Romanee 1er Cru Brulees 14.5/20 ---------------------------------- 『ワイナート41号 徹底研究ヴォーヌ・ロマネ完全読本』より抜粋 ドメーヌ・ギヨン 独創的な栽培と瓶詰前SO2無添加が力強い味わいを生む ジャン・ピエール・ギヨンはブドウを除梗せず、SO2無添加で、セミMC法で醸造する。 「除梗しないワインは好きですよ、DRCやルロワとか」と言うと、「彼らはあまり畑で働いていないな。 自分の方が働いている」との答え。大変な自信だ。 「畑仕事をたくさんすれば、完熟した質のよいブドウが収穫できる。そのようなブドウは、無理に抽出 する必要がない」と言い、「30日間のキュヴェゾンのあいだ、2〜3回ピジャージュ、2〜3回ルモン タージュするのみ」だ。 果皮が浮かび上がって空気に触れ、汚染されるのではないかと思うが、「除梗しなければ上がって こないし、発酵中に発生する炭酸ガスで保護されるから問題ない。これは18世紀に行われていた 醸造法で伝統的だ」と言う。(中略) 4年前から使いはじめた肥料が効果的らしい。ビーツと海草を使って独自に開発した肥料を秋に畑 に埋めることで、土に生命が蘇るそうだ。もちろん除草剤は使用しない。 いずれにせよ、こだわり満載のドメーヌだ。最近では、ニュイ・サン・ジョルジュのピノ・ブランの白、 サヴィニー・レ・ボーヌの白、モレ・サン・ドニの白というマニアックな珍品を、確信犯的にラインナップ に加えた。 |