株式会社 オルヴォー
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ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ
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ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ
Domaine Sylvain Pataille / ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ
≪1ヘクタールからのスタート≫
  シルヴァン・パタイユはマルサネを本拠地とするドメーヌです。
シルヴァンの家はもともとマルサネでワイン造りを行っていましたが、彼自身はボル ドーでの勉強を終えた後、ワイン造りのコンサルタントとして働いていていました。
そして2001年、ついに念願の彼自身のドメーヌをたちあげました。

最初は僅か1haだった畑も今では10haに増え、赤・白・ロゼと12種類のキュヴェを 造っています。
彼のワイン造りの基本はとにかく自然に忠実であること。出来る限りシンプ ルなワイン造りを行いたいと考えています。
発酵の温度は最高でも32℃ぐらい、酵母も天然酵母を用います。そしてヴィンテージや畑の違いによって新樽を使ったりもします が、彼が目指しているワインとは、そのテロワールの個性やぶどうの果実味を重視したワインです。




畑の総面積:12.5ha 収穫:すべて手摘み
赤:8.7ha ピノ・ノワール90%、ガメイ10%
白:3.8ha アリゴテ75% シャルドネ25%
総生産量:約38,000本
ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ

 
 
 

Bourgogne Aligote Bourgogne Aligote

ブドウ品種 :アリゴテ  樹齢:30〜50年
畑・土壌:Clos du Roy, Charme aux Pretres,Chamforeys
   石灰質の土壌が、ワインにハリとミネラル、清涼感を与える。
アリゴテにしては低収量(40hl/ha)。
そのため、非常に熟したぶどうを収穫することができ、そのぶどうを キューブと樽に分けて熟成させることが出来る。

醸造:金色に完熟したアリゴテらしからぬ低収量40hlにて収穫。
木樽とステンレスタンクで醸造。
味わい:2007年ヴィンテージは豊潤で柔らかく、美しいはっきりとした香りを 持っています。
完熟した葡萄に由来する金色のエッジ、クラシックなアリゴテというよりは、力強 く、余韻の長いアリゴテです。
このアリゴテは美食家のためのワインであり、10年は熟成させることもできるで しょう。
普通の白ワイン同様にのどの渇きを潤すワインとしてお薦めしたいワインです。 このアリゴテは私たちの他のシャルドネを使った白ワイン同様に丹念に仕込まれてい ます。

Bourgogne Blanc Le Chapitre Bourgogne Blanc Le Chapitre

ブドウ品種 :シャルドネ100%  樹齢:30年
畑・土壌:Le Chapitre
   マルサネ村のさらに北、シュノーヴ県に位置する5,24ヘクタールの区画。
区画名を表示できるACブルゴーニュ。
石灰粘土質土壌。鉄分の存在を示す赤い土壌はワインに肉付きと力強さを与えます。
表土には直径数ミリの石灰岩の小砂利が大量にあります。
醸造:天然酵母でアルコール発酵、熟成はドゥミ・ミュイと呼ばれる600Lの樽で 澱をバトナージュ(攪拌)しながら18カ月熟成。ワインにボリュームと新鮮な果実味を 与えます。軽くフィルターをかけて瓶詰めします。
味わい:この軽やかな土壌が、ワインにシャルドネ特有のしっかりとした構成をもた らしている。
黄金色の色調でエッジはやや緑がかっており、とてもクラシックですが、時間ととも に完熟した果実味が現れます。
白い果実を基調とした集中した香りを見つけることができます。
ル・シャピトルは日照に恵まれとても温暖な区画で、マコン最良の区画に似ていま す。ふくよかさがあり、酸とミネラルのバランスが綺麗にとれたワインです。

Marsannay Blanc Marsannay Blanc

ブドウ品種 :シャルドネ・ロゼ(果皮がピンク色をしたシャルドネの突然変異)6 0%、シャルドネ40%。
この非常に珍しい葡萄がふくよかさを感じさせます。ピノ・グリのような印象もあり ますが、もっと軽やかな余韻があります。
畑・土壌:非常に石灰の強い土壌で、ミネラルの豊富な場所です。このシャルドネ・ ロゼの栽培に非常に適しています。
醸造:全房で軽くプレスした後、デブルバージュ(前清澄)。天然酵母で、ドゥミ・ ミュイと呼ばれる600Lの樽で15カ月もの長期間発酵させます。
アッサンブラージュした後さらに3か月落ちつかせて瓶詰めします。非常に長期熟成に耐えられるワインです。
味わい:上品な香り。樽を焼いた香りがワインの香りに溶け込んでいます。
緻密な構成のワインです。

Marsannay Blanc Le Charme aux Pretres Marsannay Blanc Le Charme aux Pretres

ブドウ品種 :シャルドネ100%
畑・土壌:石灰粘土質土壌。とりわけ石灰が強く、赤い粘土が混じります。
醸造:天然酵母で発酵。熟成は24〜27か月、3分の2を新樽、3分の1を2年樽 でバトナージュ(澱を攪拌する)をしながら行います。試飲をして軽くフィルターをか けて瓶詰めします。
味わい:年々、その表情を変えてみせるワインです。
若いうちは際立った硬いミネラルに支配されています。しかし、熟成とともに柔らか くなっていくのです。
芳醇で力強く、ハーブのような香りが湧き上がります。その輪郭が緻密に描かれ、ふ くよかでとても長い余韻が現れます。美食家のためのワインであり、長期熟成させるべき偉大なワイ ンです。
2005年は7〜8月の乾燥した暑い気候が葡萄を凝縮させ、糖度を上げました。
この区画のワインは初めの一月はフュメ(煙)香、ミネラルの香りが顕著でした。
ワインが柔らかく開放的になった2007年の12月にようやく瓶詰め。テロワール の魔法ともいえるこの白ワインは5年以内に飲むのであればデキャンタージュすることをお薦めしま す。
このキュヴェの2002年は今、信じられないほど複雑さを帯びて、コート・ド・ ボーヌの銘醸白ワインにひけをとりません。

Bourgogne Passetoutgrain Bourgogne Passetoutgrain

ブドウ品種 :2/3ガメイ、1/3ピノ・ノワール 1934年に植樹。
畑・土壌:レ・シャンフォレイと呼ばれる区画。
扇状地の入り口に位置する小石混じりの土壌。排水性に長け、早熟できる区画。
味わい:色調は、素晴らしいヴィンテージと、古木の恩恵をうけた輝きのあるルビー 色。
全房発酵に由来するスパイスの風味があります。
コショウ、シナモンの風味からブラックベリー、カシスの香りへと変わっていきま す。
昔ながらの方法で、非常に時間をかけて醸造を行います。
凝縮した味わいで、滑らかなタンニン、そしてスパイスのアロマが段階的に現れま す。
このワインはすぐに飲んでも楽しめますが、全房発酵の利点から10〜15年ほどセラー で熟成させることもできます。

Bourgogne Rouge Bourgogne Rouge

ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%  樹齢:40年
畑・土壌:Les Chamforeys
水はけがとても良い土壌なので、ぶどうが早く熟しやすく完熟したふくよかなぶどう が育つ。
醸造:マセラシオンはピノ・ノワールのより繊細な香りを最大限に引き出すために伝 統的な方法で行われる。約2週間のマセラシオンを行った後、約12ヶ月間、樽で熟成さ せ、その後6カ月タンクで熟成させることでワインにふくよかさや複雑性を与える。そして軽く フィルターをかけた後、瓶詰めを行う。
熟成のどの過程においても人工的なものを使わずにワイン自身の力でその調和を保つ べきだと考えており、そのような人工的なものできるだけ使わないようにしている。
ワインというものは、その土壌とぶどう品種の一番良い所を表現するために、常に自 然体であるべきだと考えている。
味わい:魅力的な輝きに満ちたエッジにルビーがかった色調。

Bourgogne Montre Cul Bourgogne Montre Cul

樹齢:1935年に植樹したピノ・ノワール。
畑:0.1ヘクタール  
氷河期時代に凍結、解凍された岩が細かく砕け、砂礫状になった粘土石灰質土壌。
それにもかかわらず、粘土質の構造がしっかりとしており、小さな砂利が畑の作業を 容易にしてくれる。
*Montre Cul:ブルゴーニュ公国の首都、ディジョン市内にある16.11ヘクタールの 畑。
畑名を表示できる資格を持つACブルゴーニュのひとつです。現在の所有者は6名。
味わい:点のようなコミューンであるモントルキュルのワインは緻密なフィネスを持 ちます。
この2006年はすでに開放的で、小さな果実、シナモン、スパイスの典型的な香りがあ ります。
全房発酵により深い色調だけでなく、複雑なアロマ、長熟性をもたらします。
口いっぱいにアロマが広がる美食家のための美学あふれるワインです。

Marsannay Rouge Marsannay Rouge

ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%  樹齢:30〜50年
畑・土壌:いくつかの区画のブレンド。Les Ouzeloys , les Crais , les Recilles , les Sampagnys
醸造:非常に石灰が強く痩せた土壌、褐色の粘土がワインに深みを与えます。
30%新樽で15カ月の間、澱と一緒に熟成させます。たっぷりとした果実味と新鮮 さを与えます。
味わい:ACブルゴーニュと比べても深い色調で紫ではなく鮮やかなルビー色。
ワインはすでに開放的で、サクランボの種、木の皮、スパイスに続いて緻密な森林香 があらわになります。
味わいは丸みがあり、ふくよかで、スパイスのアロマが口いっぱいに広がります。
10年は熟成させることができますが、何よりもすぐに飲んで美味しい魅力的なワイ ンです。

Marsannay La Montagne Marsannay La Montagne

ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%  樹齢:30年
  畑・土壌 :丘陵の上に位置する南向きの斜面。ブルゴーニュの中でも原始的なテロ ワールで、表土20〜30センチの海洋性の化石を含む力強い粘土石灰質土壌。
葡萄にミネラルとアロマのふくよかさを与えます。
小高いこの丘陵には灌木が多く芝状に植わっており、この芝生状石灰土壌に由来する 複雑性がワインに反映されています。
味わい:外観は輝きのある綺麗なルビー色。トーストや焼き樽に黒系果実や木の皮の 複雑な香りが加わります。
2006年ヴィンテージはやわらかいアタックを持ち、若々しくきめ細やかなタンニ ンがあります。
集中性があり、トーンの高い構成で今から美味しく飲むことができ、今後4〜5年は ピークの状態です。
しかし、今後20年は熟成できるポテンシャルも備えています。

Marsannay Clos du Roy Marsannay Clos du Roy

ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%  樹齢:35年
畑・土壌 :Les Clos du Roy
赤土の粘土石灰質、上を覆っている石灰質や泥岩質の石がミネラルや緊張感(ハリ) を与える。
醸造:葡萄の40%は除梗をせず、発酵期間も長く約20日間位行う。その後、15〜16ヶ 月樽で熟成(新樽比率40%)させた後、2〜3ヶ月キューブに入れる。その後、ノンフィル ターにて瓶詰め。
味わい:このクロ・デュ・ロワとモンターニュはプルミエ・クリュ昇格を打診した、 また、それにふさわしいテロワールを持っています。
2006年ヴィンテージは収穫時の風と太陽、そし て収量制限の恩恵を受けたヴィンテージです。
クロ・デュ・ロワは鮮やかな輝きのある色調を持っています。
2006年のワイン全てに共通しているのですが、すぐに開放的な香りを放ち、表情 豊かなワインとなりました。
新鮮な赤系果実、カレー、クネル、カルダモンといった甘いスパイス、木の皮といっ た沢山のアロマが混ざりあいます。
クロ・デュ・ロワの畑の典型的な石灰質土壌に由来する力強い構造を持っています。
素晴らしいフィネスに満ち溢れ、きめの細かいタンニンがあり、とても贅沢なワイン です。

Marsannay Les Clemengeots

ブドウ品種:ピノ・ノワール100%  樹齢:35年
畑・土壌:斜面中腹。表土が薄く、プルミエ・クリュに相当するテロワールです。
クーシイ村の中央に位置しており、最もアロマティックなワインを産出します。
醸造:暖かみのあるテロワールに由来する果実味とフィネスを保つためにすべて除梗 します。
強い抽出を避け、20日間発酵。その後、15か月樽熟成。(1/3新樽)
瓶詰め前にステンレスタンクで3か月熟成。

2008年について
2010年5月、天体カレンダー『果実の日』に瓶詰め。
味わい:深みのあるルビー・ルージュ。
非常に丸みを帯びた香り、ラズベリー、レッドカラント、イチゴのようなフレッシュ な赤系果実とケーキの香り。
本当に食事が欲しくなるワインです。
口中に持続性のある素晴らしいバランスのミネラルが広がり、今からすでに開放的で す。
この丘から生まれる典型的なスタイルで最上のワインです。長期熟成も可能なことを 保証します。

Marsannay Les Longeroies

ブドウ品種:ピノ・ノワール100%  樹齢:10〜50年
畑・土壌:小石混じりの石灰岩。表土は粘土石灰質。斜面中腹に位置する。
コート・ド・ニュイの典型的な土壌。
醸造:100%全房。新樽比率50%で15カ月熟成した後、瓶詰め前に3カ月ステ ンレスタンクで熟成。

2008年について
2010年5月、天体カレンダー『果実の日』に瓶詰め。
味わい:輝きのあるルビー・ルージュ。
酸味のある果実や、活き活きとした森林、甘いピンクの花といった非常にアロマ ティックな香り。
抜栓直後から非常に複雑で深みのある構造を見せてくれます。
フレッシュで、ピンと張りがあり、タンニンは細かいです。
2008年というチャーミングで偉大な年の、そしてこのテロワールにおける最上のワイ ンのひとつです。
既に飲むことも可能ですが、熟成に耐えうるポテンシャルも備えています。

Marsannay L’Ancestrale

ブドウ品種:ピノ・ノワール100%  樹齢:60〜80年
畑・土壌:Les Clemengeots , Les Grands Bois , Les Ouzeloys Les Crais , Les Clos du Roy
醸造:100%全房で、20〜25日間の長い発酵期間を経ます。
新樽比率100%で18カ月熟成。

2008年について
2010年5月第1週目、天体カレンダー『根の日』に瓶詰め。
味わい:私たちはこの古木から造られるキュヴェと他のキュヴェを畑の位置などで区 別したりはしません。
私は自分のすべてのワインに対して同じように愛情を注ぎます。
このランセストラルは他のワインと比べて極めて早く発酵が始まりました。
凝縮感、エネルギー、 そして予想も出来ないほどの複雑さが既に果汁の段階で感じ られます。
葡萄の全房収穫は、ワインの構造を長期熟成に耐えうるものにする手助けをしてくれ ます。
そして思わず涎を垂らしてしまうほどの複雑さをワインに加えてくれるのです。本当 に繊細なワインです。
多種多様な果実、花、そしてフレッシュな野菜など、見事なまでに雄弁なアロマがあ ります。
柔らかい果実が口をいっぱいに満たします。まさに輝かしい栄光のピノ・ノワールで す。
このワインは是非、ひと手間かけてあげてください。
デキャンタ―に注ぐだけで、文字通り味わいが爆発します。
ヴィニュロンとしての夢を毎年、体現してくれるワインなのです。

Marsannay Rose Marsannay Rose

ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%  樹齢:40年
   畑・土壌 :Les Chamforeys , Les Aconnes , Les Mechalots
   3つの離れた区画の葡萄がそれぞれを補いあっています。
砂利質、石灰質、粘土質のそれぞれの土壌が葡萄に複雑さと力強い構造、果実味、そ してポテンシャルを与えています。
味わい:古樹がワインに丸みとふくよかさを与えています。
ヴァニラのようなエキゾチックな果実の香りが立ち、扇情的な花の香りへと変わって いきます。
芳醇でふくよかな味わいがあり、海鮮料理や白身肉の料理との相性は抜群です。

Marsannay Rose Fleur de Pinot Marsannay Rose Fleur de Pinot

唯一無二の個性を持ったロゼワインです。マルサネは、ブルゴーニュで唯一ロゼを造 ることのできるアペラシオンです。シャルドネの偉大な白ワインのように醸造することで、マ ルサネの石灰質土壌に由来するミネラルとピノ・ノワールの個性であるスパイスや豊潤な果実 の魅力溢れるロゼを造りだしました。
葡萄は40〜60年の古木を持つ区画のセレクションです。
(Charme aux Pretres,Clemengeots,Crais,Chamforeys)
収穫量はロゼとしては異例ともいえる低収量(30hl/ha)です。
完全に熟した葡萄を半分は全房のままプレスします。
もう半分は除梗の前にマセラシオン・ぺリキュール(短期間、果皮と接触させること により果皮に由来するアロマを与える白ワインの醸造テクニックのひとつ)を行います。
果汁をデブルバージュ(前清澄)した後、228Lと600Lの樽(新樽比率は、これもまた 異例の65%)に詰めます。
26ヵ月もの間、樽で熟成させました。繰り返しになりますがロゼワインにおいてこ れは本当に異例と言えるでしょう。
しかし、ワインは驚くほど新鮮さを保っているのです。
長期熟成もできる偉大なワインであり、あなたの特別な日の食卓に素晴らしい感動を 届けてくれるでしょう。

【メディア情報】

GJPV(Le Groupe des jeunes professionnels de la vigne)2007にてTropheeを受 賞!!
ブルゴーニュ、オスピス・ド・ボーヌ栄光の三日間の際に行われる、若手醸造家の ワインコンクールシャブリ、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ、マコネ、 シャロネーズから1名が選ばれ、さらにその中の1名がトロフィーの最高賞に選ばれます。 

若いシルヴァン・パタイユのセラーは、ディジョン郊外の繁華街にあるシュノーヴに ある、中世ブルゴーニュ公爵の葡萄圧搾場に隣接しています。研究心と実験心の旺盛な彼 は、明確な感性と技術でマルサネ村の古木から多くのワイン(コレクションに値する白を 含む)を造っています。(Wine Advocate#171より抜粋)

シルヴァン・パタイユは誉れ高いドメーヌを相続する機会がありませんでした。
なぜなら彼は醸造コンサルタントとして他のドメーヌで手腕を揮っていたからです。
しかしそのことが彼をマルサネのテロワールの世界に身を投じさせたのです。
彼の情熱と創造力がブルゴーニュを選び突き動かしたのです。
(ル・クラスマン2007年度版より抜粋)

シルヴァン・パタイユは、ボーヌの大規模な*ラボラトリーのエノロジストとして キャリアをスタートした人物。ラボでは多くのドメーヌに助言をしてきたが、これはヴィニュロ ンの仕事を学ぶには最高の手法だったと思う。彼は2001年、ディジョンのすぐ南、コート・ ド・ニュイ地区の玄関口でありながら、いまだあまり知られていないマルサネにドメーヌを設 立。
現代的なテクニックを意識的に避け、多彩なテロワールとヴィンテージに密着したワ インを造っている。
重量感のある瓶に美しいラベルをあしらった『マルサネ・ランセストラル』は、所有 畑の中で最も樹齢の高いパーセルを使用。ボディ、香り、タンニンの基盤がジュヴレ・シャン ベルタンによく似たマルサネのテロワールを、最大限に引き出そうと努力している。ワインは 気品があり豪奢。巧みに醸造されているが、価格は今のところ手が届きやすい。
2004年は、洗練されていてエレガント。熟成後に大化けする可能性もある。
*ワイン造りにおける各段階で、成分分析などを行う研究所
(ミシェル・ベタンヌ&ティエリー・ドゥソーヴ)   『ワイン王国41号』より 抜粋

知られざるブルゴーニュ郊外でお値打ちワインの発見
(サンフランシスコ・クロニクル September,21,2007より抜粋)
ワインスノッブの中には、純血のグラン・クリュを持たない小さなブルゴーニュワ インに目もくれない人もいます。
「そんな格式のないブルゴーニュワインなんて」ある、東海岸のワインのバイヤーが 鼻で笑いました。「誰もそんなもの飲まないってことがいずれわかるだろう。」 彼の自尊心を満足させるの素晴らしいこととは、常にグランクリュを飲むようなこと なのです。
しかし私たちがブルゴーニュの価格において満足するためには、いくつかのノウハウ が必要なのです。
今日、ダンクシュートのようなかつてないほど最良の2005年ヴィンテージをめぐ る激しい世界競争とドル安において、ラベルではなく本質的に価格に見合うお値打ちなアペラ シオンを知る必要があるのです。
マルサネ、フィサン、マランジュ、オーセイ・デュレス、サン・ロマン…
あまり知られていませんが、最良のものを探すときに、とても重宝するアペラシオン です。
(中略)
例えば0.2エーカーしかないヴォーヌ村の最良のワインのひとつであるリシュブー ルは、400ドルから価格を始めることができ、しかもその5倍まで価格は高騰します。 しかし、太古からの貴重な石灰と粘土の土壌は触手のように散開し、(リシュブール のような)魅力のない土地にも拡がっているのです。
わずか15ドル。ブルゴーニュで最高級のボトルの代替品は見つからないでしょう。
しかし、あなたがラベルの銘柄に対して柔軟な考えを持っているのならば、
素晴らしいブルゴーニュワインの恩恵を受けることができるでしょう。
(中略)
ディジョンの駅から南に10分ほど車で行ったところに、不遇の地、マルサネはあり ます。
コート・ド・ニュイ最北の地であるマルサネには原産地呼称が与えられえたのはつい 最近のことです。
マルサネ在住で最も優れたワインメーカーであるブルーノ・クレール(クレール・ダ ユ)の力を借りて、1987年に呼称を与えられ、この地のピノ・ノワールが知られるように なったのです。
マルサネの問題点は、過小評価すぎるほどの安い価格でした。
彼らは20世紀の後半まで、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、シャン ボール・ミュジニーといった南のような素晴らしいワインを造り上げる代わりに、 ガメイ種のワインやロゼのような“あぶく銭を稼ぐ”ことを選んだのです。
(中略)
かつてイギリスのワイン評論家、クライヴ・コーツ氏は「マルサネは重要なワインで はない。」と著しました。
近年、コーツ氏は、「私がそのように書いたのは、私の考えを覆してくれたシルヴァ ン・パタイユの現れる前のことだ。」と、自身の間違いを訂正しております。
パタイユはルーミエやグロフィエのようなドメーヌのコンサルタントでした。
2001年、彼は故郷の土地を信じて自分自身のドメーヌを立ち上げたのです。
2007年現在、彼の畑はオーガニックです。
ある畑においては、クローンや接ぎ木をする代わりに、長い目で見て種から植樹する といった情熱的な決断をしました。
2007年、6月。狂ったような気候と激しく手間のかかる畑仕事のおかげで、有機 栽培の生産者たちはこの年が難しい年になると感じていました。しかし、パタイユは意に介しま せんでした。
彼は言います。
「私はビオディナミの考え方は好きですし、有機栽培の考えも好きです。
葡萄畑においてそれは本当に難しいことで、葡萄畑と結婚するぐらいの気持ちでなく てはいけません。しかし、それだけの価値があると思います。マルサネにはネームバリュー以 外のすべてがあるのです。」
「優れたテロワールがあり、それを証明しるために私は畑仕事に一生懸命取り組み、
ワインに対して一生懸命取り組むのです。私たちは“高価格”以外のすべてを持っているので すから。」