Closerie des Terres(クロズリー・デ・テール) は、ボルドー東部マルマンド北の丘陵地、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれたEntre-Deux-Mers上流域カミラン村に位置する有機栽培のミクロドメーヌです。

2017年にこのカミラン村へ移住したFrédéric Auriol(フレデリック・オリオル)と、地域の醸造責任者として経験豊富なSimon Deleporte(シモン・ドゥルポルト)の出会いから始まりました。彼らは必ず出会う運命ではなかったのかもしれません。空と海と大地と選ばれし畑がフレデリックとシモンを導いたのです。情熱が二人を導いたのです。新しい冒険が始まります。

 パリ郊外出身のフレデリック・オリオル氏が人生の意義と平穏を求めてボルドーにやって来たのは2017年のことでした。元エンジニアのフレデリックはパリの大手通信会社の経験があり、ドローンを用いた畑のマッピングにも携わっていました。リムー近郊、カンパーニュ=シュル=オード生まれのブドウ栽培農家の家系であった祖父の影響でワインに惹かれ、45歳で畑仕事に還る決意を固めました。ブドウ栽培・醸造学を学びボルドーに来た時、彼はヴィニュロンになるというひとつの目標を掲げていました。

 フランス北部リール地方出身のシモンは10歳の頃、ブルゴーニュへと旅立ちました。シャブリの樽が静かに熟成するアーチ状の柱に支えられた古い地下セラーに足を踏み入れた時、彼もまたヴィニュロンになるという夢が芽生えていたのです。ブルゴーニュで栽培、醸造学とブドウ科学の学士号を取得し、ジロンドでは醸造学と経営の修士号まで取得しました。ボルドーのワイナリーで12年間、技術管理に携わった後、彼は自身の理想のワインを造る機会に巡り合ったのです。

ドルドーニュ川とガロンヌ川の間に位置するこの畑のブドウは、サン=テミリオンの畑に似たヒトデ型石灰岩(アステリア)の台地に植えられています。小さな畑は2つのテロワールから形成されています。
 古木のカベルネ・ソーヴィニヨンが植わっている南側Aux Verriers(オー・ヴェリエ)。しなやかで丸みを帯びた芳醇なワインFeu Follet(フー・フォレ)、Terra(テラ)を生み出しています。
北側Le Bouleytreau(ル・ブーレイトロー)はより冷涼、フレッシュで骨格がありバランスの取れたワイン、Luna(ルナ)、Solstice(ソルスティス)、Embellie(アンベリエ)、Aurora(オーロラ)を生み出しています。

 この冒険が始まったその時から、私たちが環境に配慮する方向に舵を切るのは明確でした。生き生きとした感動的なワインを造るためには畑の生物多様性を回復することが不可欠です。この生命バランスのため、私たちはすぐに有機農法転換に着手しました。ここでは除草剤や化学肥料、過度な機械化は何もありません。
 ビオディナミの実践、ハーブの煎じ液や発酵液を用い、月相と星座に基づくマリア・トゥーンの種まきカレンダーに基づいて選定や瓶詰めのタイミングを調整しています。
 私たちのモットーは、ブドウ畑に生命を取り戻して、ワイン、そして人生に意味を与えることです。
 畑には、ブドウの列ごとにソラマメ、ベチバー、ソバ、アルファルファ、ディル、フェンネル、コリアンダー、ワレモコウなど、様々な植物が植えられました。多様な根系のおかげで、土壌を深く探査できる多様な品種が地面を覆います。マメ科植物の存在は、土壌に窒素を自然に供給するのに貢献しています。様々な植物の開花時期を分散させることで、多くの益虫の生息を促進しています。

Ecume Vin de France

ヴィンテージ【2024】

品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%のブラン・ド・ノワール  土壌:粘土石灰とヒトデ型石灰の層収穫:10hl/ha。 2024年9月中旬、手摘み収穫。醸造・熟成:優しく圧搾した後、フランス産の3年古樽で発酵、熟成。

味わい:エキュームは石灰岩の台地から選別されたブドウから造られるミネラル感豊かな味わいが特徴です。鼻腔と口腔で果実が爆発するような風味。エキゾチックな果実と柑橘が特徴的なワインです。


Feu Follet Bordeaux

ヴィンテージ【2020】

品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%  
土壌:粘土石灰とヒトデ型石灰の層収穫:15hl/ha。 2020年10月初旬。
醸造・熟成:短時間のマセラシオン(果皮浸漬)、ステンレスタンク、MLF。

味わい:タパスやグリル料理のアペリティフに、鶏肉料理の伴奏に最適です。 香りも味わいも黒い果実が豊かです。タンニンと果実のバランスが美しい均整を持っています。