ヨーロッパの中央に位置し、イタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーに囲まれたスロヴェニア共和国は、多様性に富んだ地形と複雑で長い歴史を持っています。スロヴェニア北西プリモルスカのゴリシュカ・ブルダ地区、北にアルプス山脈、南にアドリア海を臨むノヴァ・ゴリツァの隣にある小さな町スネザトノ村にクメティヤ・シュテッカーはあります。
ブルダとは丘を意味する言葉です。イタリアにまたがるこの丘は、フリウリではコッリオと呼ばれています。
スラヴ系、ラテン系、ゲルマン系の民族と文化が入り交ざるこの町は、イタリアのフリウリ=ヴェネチア・ジューリア州と国境を接しており、フリウリの巨人ラディコンやグラヴナーが居を構えるオスラーヴィアまでわずか2キロほどしか離れていません。
ノヴァ・ゴリツァとは新しいゴリツァという意味です。歴史的にはイタリア領ゴリツァの一部でしたが、第二次世界大戦後にゴリツァの町の東側が旧ユーゴスラビアに割譲されたためスロヴェニアの帰属となりました。


シュテッカー家の歴史は最も古い文献から1672年まで遡ります。そして現在まで私たちはこの土地に根を下ろしています。 
10代目となる当主ヤンコ・シュテッカーが生まれたのは戦後樹立したユーゴスラビア社会主義連邦共和国の時代になります。
ヤンコの曽祖父の時代はサクランボやアプリコット、プラムといった様々な果樹を栽培していました。
シュテッカー農園がヤンコに引き継がれた時には、私たちはワイン造りに注力していました。そして2000年には完全に有機栽培に移行しました。
ヤンコは現在でも果樹園を所有しており桃、キウイ、ナッツ、オリーヴも人為的・化学的な介入することなく育てています。
ヤンコは果皮のフェノール類まで完璧に成熟させます。ヤンコのワインは白ブドウを赤ワイン同様に果皮浸漬させています。果皮浸漬の期間は決めておらず果皮が自然に沈殿するまで浸漬しています。ブドウの質が高いため、不必要な収斂性や歪なフェノールが味わいに反映されず、滑らかで純度の高いエキスを生むのです。
白ブドウを浸漬する造り方はこの地方の伝統なのです。
1844年、シュテッカー農園近郊に住んでいた聖職者マティヤ・ヴェルトニックというが記したスロヴェニアのワイン造りの本にも『24時間から30日まで果皮を浸漬すること。これによりワインの味わいと熟成能力を向上させ、ワインはドライに仕上がる。』と、記されています。果皮のタンニンに含まれる抗酸化物質のおかげでワインは長い命を与えられるのです。
私たちは、ワインは単なるアルコール飲料ではなく、文化の一部だと考えています。
それは代々、持続可能なアプローチ、極力干渉を避け、有機的な栽培・醸造を手掛け、この土地柄を反映し、色調や醸造テクニックの概念に縛られることのないワイン造りです。
テロワールを昇華した本物のワインは、飲み手の感情に直接訴えかけて、私たちの考えや土地柄を語ってくれます。

 

 

Izi

ヴィンテージ【2020】
ブドウ品種:レブーラ(リボッラ・ジャッラ)
畑・土壌:ブルダ、Hum 標高160m、0.4ha
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ 東、北東向き
栽培:グイヨ仕立て
植密度:4,000本/ha オーガニック栽培
アルコール度数:12%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。濾過せず。 瓶詰め前にごく少量SO2添加。
熟成:ステンレスタンク ※王冠栓

*オポカ土壌 イタリア、コッリオではポンカと呼ばれる土壌でフリッシュと呼ばれる砂岩、泥灰土。

Belo

ヴィンテージ【2019】
ブドウ品種:シャルドネ、レブーラ(リボッラ・ジャッラ)、ピノ・ブラン、ソーヴィニヨン、ポルサキカ、グレラ、フリウラーノ
畑・土壌:ブルダ地区Podvrt、標高180m、0.5ha
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ 西向き 2002年よりSI EKOオーガニック認証
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:4000本/ha
アルコール度数:12.72%
生産量:1,900本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。濾過せず。
熟成:ステンレスタンク

*オポカ土壌 イタリア、コッリオではポンカと呼ばれる土壌でフリッシュと呼ばれる砂岩、泥灰土

Rebula

ヴィンテージ【2019】
ブドウ品種:レブーラ(リボッラ・ジャッラ)
畑・土壌:スネザトノ村ブルダ地区、標高140~160m、0.3ha
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:グイヨ仕立て
植密度:4000本/ha
収穫:9月21日、手摘み
アルコール度数:11.05%
生産量:1,500本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。濾過せず。
熟成:ステンレスタンク

Sivi

ヴィンテージ【2019】
ブドウ品種:ピノ・グリージョ
畑・土壌:スネザトノ地区、標高140~160m、0.8ha
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ 西、北西向き 2002年よりSI EKOオーガニック認証
栽培:グイヨ仕立て
植密度:6000本/ha
収穫:9月13日、手摘み
アルコール度数:12.64%
生産量:2,500本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。濾過せず。
熟成:ステンレスタンク

Mali

ヴィンテージ【2019】
ブドウ品種:メルロー
畑・土壌:スネザトノ、Cetrkovo、標高150m、0.15ha
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ 西向き  2002年よりSI EKOオーガニック認証
栽培:グイヨ仕立て
植密度:2,400本/ha
収穫:9月22日、手摘み
アルコール度数:13%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に15時間マセラシオン。 濾過せず。瓶詰め前にごく少量SO2添加。
熟成:ステンレスタンク ※王冠栓

Merlot

ヴィンテージ【2018】
ブドウ品種:メルロー
畑・土壌:スネザトノ村Cetrkovo、標高150m、0.15ha
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ 西向き 2002年よりSI EKOオーガニック認証
栽培:グイヨ仕立て
植密度:5000本/ha
収穫:9月16日、手摘み
アルコール度数:13.20%
生産量:1,900本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に8日間マセラシオン。濾過せず。

Merlot

ヴィンテージ【2017】
ブドウ品種:メルロー
畑・土壌:スネザトノ村Cetrkovo、標高150m、0.15ha フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:グイヨ仕立て
植密度:5000本/ha
熟成:ステンレスタンク
収穫:9月13日、手摘み
アルコール度数:12.62%
生産量:1,900本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に8日間マセラシオン。濾過せず。

Jankot

ヴィンテージ【2018】
ブドウ品種:フリウラーノ(トカイ・フリウラーノ)100%
畑・土壌:スネザトノ村ブルダ地区、0.2ha、西向き、フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、 砂岩、オポカ
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:2300本/ha
収穫:9月8日、手摘み
アルコール度数:12.5%
生産量:1,300本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に17日間マセラシオン、濾過せず。SO2添加せず。
熟成:オーク樽で12か月

Malvazija

ヴィンテージ【2018】
ブドウ品種:イストリアン・マルヴァジーア100%
畑・土壌:スネザトノ村ブルダ地区、標高150~160m、0.2ha、
西向きフリッシュと呼ばれる 柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:3000本/ha
収穫:9月11日、手摘み
アルコール度数:13.3%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に20日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:450リットルのアカシア樽で11か月

Mlaka

ヴィンテージ【2018】
ブドウ品種:シャルドネ100%
畑・土壌:MLAKA、標高150m、0.3ha、南西向きフリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:グイヨ仕立て
植密度:5,000本/ha
収穫:9月4日、手摘み
アルコール度数:13.63%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に14日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:アカシア樽で12か月

Pinot Draga

ヴィンテージ【2015】
ブドウ品種:ピノ・グリージョ100%
畑・土壌:0.3ha、西向きでテラス状、フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:ギュイヨ仕立て
植密度:5500本/ha
収穫:9月7日、手摘み
アルコール度数:13%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に20日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:オーク樽で36か月

Rebula Prilo

ヴィンテージ【2015】
ブドウ品種:リボッラ・ジャッラ100%
畑・土壌:0.4ha、西向きでテラス状、フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:4400本/ha
収穫:9月27日、手摘み
アルコール度数:14.3%
生産量:1300本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に30日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:1150リットルのアカシア樽で36か月

Re Piko

ヴィンテージ【2017】
ブドウ品種:リースリング90%、ピコリット10%
畑・土壌:コイスコ(Kojsko)、標高220~270m、0.5ha、南、南西向き テラス状、
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:ギュイヨ仕立て
植密度:4000本/ha
収穫:9月27日、手摘み
アルコール度数:12.35%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に22日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:オーク樽で36か月

Kuisko

ヴィンテージ【2015】
ブドウ品種:シャルドネ100%
畑・土壌:コイスコ(Kojsko)、標高220~270m、0.4ha、南向き テラス状、
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:ギュイヨ仕立て
植密度:4500本/ha
収穫:9月12日、手摘み
アルコール度数:13.67%
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に28日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:オーク樽で36か月

Sivi Pinot macerated

ヴィンテージ【2011】
ブドウ品種:ピノ・グリッジオ100%
畑・土壌:スネザトノ村ドラガ地区、0.3ha、西向き テラス状
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:ギュイヨ仕立て
植密度:5000本/ha
収穫:9月10日、手摘み
アルコール度数:16.4%
生産量:1100本
醸造:天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に5日間マセラシオン、濾過せず。
熟成:225リットルのオーク樽でフロール(産膜酵母)と共に48か月。

4 A Si

ヴィンテージ【2011】
ブドウ品種:リボッラ・ジャッラ100%
畑・土壌:スネザトノ村プリロ地区、標高140~160m、0.4ha、西向き
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:3000本/ha
収穫:9月
アルコール度数:10.3%
残糖度:254g/L
生産量:400本
醸造:パッシート、5か月間陰干ししたリボッラをプレス、天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。 濾過せず。
熟成:1150リットルのアカシア樽で24か月

Beli Kos 375ml

ヴィンテージ【2018】
ブドウ品種:メルロー100%
畑・土壌:スネザトノ村ブルダ地区、標高140~160m、0.5ha、西向き
フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
栽培:シルヴォズ(Sylvoz)仕立て
植密度:5,000本/ha
収穫:11月4日
アルコール度数:21.7%
残糖度:42g/L
生産量:375mlで500本
醸造:100%貴腐が付いた葡萄。天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。
果皮と共に70日間マセラシオン。 熟成:225リットルのオーク樽で14年間。



【メディア情報】

2014年、イギリスのDecanter誌初の試みとなるMWが選ぶオレンジ・ワインのブラインド・テイスティングで世界中に激震が走りました。
無名であったシュテッカーによる2007年のRebula Priloがオレンジ・ワインのベスト24に選出され、ゼップ・ムスター、ショブルック、グラヴナー、ラ・カステラーダといった定評のある造り手たちを凌駕する92点の最高得点を付けたことで、世界中から注目を集めています。

深い色調と鮮烈な香り、複雑な味わいを持ったオレンジ・ワインは昨今のワインの中でも、非常に個性的でスリリングで、料理との親和性の高いワインです。オレンジワインはさながら皇帝の新しい服のようなもので、不完全な魅力とワインの酸化を許容するソムリエや流行に敏感な人々に愛されています。ワインとは、正しい知識を持った消費者が喜びのために飲むワインを選ぶとは限らないという珍しい矛盾があるのです。
オレンジ・ワインとは正確には何を指すのでしょう?オレンジ・ワインとは白ブドウを果皮とともに数週間、あるいは数か月浸漬させたワインを指します。つまり、これらは赤ワインの手法で造られる白ワインなのです。
結果として、ワインの色調のみならず、非常に深みのある香り、アタックを持ち、タンニンすら感じます。
溌剌とした新鮮味とタンニンの組み合わせは料理とのマリアージュにおいて非常に融通が利きます。
2009年、ニューヨーク最高のイタリアレストランConvinoで、元ソムリエで現在作家兼ブロードキャスターを務めるレヴィ・ダルトン氏はこの有用性に発見気が付きました。
『オレンジ・ワインはすべてを解き放つジョーカーのようなもので、私たちのシェフの魚や肉といった食材を次々に提示する料理でしたが、オレンジ・ワインはあらゆるメニューとペアリングを可能にしたのです。』
2014年12月、Decanter誌は72種類のオレンジ・ワインを集めた初のブラインドテイスティングを行いました。
すべてのワインは最低4日間の果皮浸漬を施しており、従来のワイン造りを踏襲しているものです。
発酵容器のタイプ、発酵温度の調節、天然酵母の使用、SO2の総量も考慮されました。
テイスターはシモン・ウルフ氏、Decanterのテイスティングディレクター、クリステル・ギベール氏、イザベル・レジェロンMWです。

魅力的な香り。ジャスミンの香りを持つリンゴ。高い酸度、穏やかなタンニンを備えた構造ながら素晴らしい鮮度。非常に複雑で重層的、ナッツを思わせる余韻へと続きます。92点
(翻訳・意訳:オルヴォー村岡)
DECANTER MAY 2015  Decanter’s orange wine blind tasting top 24